スーパーライス計画 |
お米の可能性を様々な角度から引き出し、まったく新しいタイプのお米を創り出すプロジェクトが着々と進行中です。
これまでにも数々の品種改良が行なわれ、お米もずいぶんおいしくなりましたが、さらにおいしく、そして栄養価の高い食物に改善する研究開発が行なわれています。このプロジェクトは、『スーパーライス計画』と呼ばれています。農林水産省を中心に大学、民間企業、公立の研究所などが協力しあって、これまでに育成された新種のお米の可能性をさらに拡大し、用途を広げようとしているわけです。 平成元年に始まったこの『スーパーライス計画』では、味にこだわった品種の改良、生産効率の高いお米や、栄養価の高いお米の開発など、すでに数々の成果を得ています。 とりわけ「従来なかった新しい形質のお米」の開発と、その利用法には、力を入れてきました。その成果として、調理や食品加工の違いに合わせた「加工適用米」の開発はほぼ完了。米飯加工食品の、それぞれの味わいを一層引き立てるとともに、生産性を上げることが可能になるわけです。したがって今後は、「主食米」として質のよいお米の開発に、重点が置かれることになります。 栽培しやすくて栄養抜群、そして質のよい、おいしいお米を大量に作っていく。それが二十一世紀のお米、スーパーライス計画の使命、というわけです。
スーパーライス計画の目標
● 味 もっとおいしく
お米にもっとも多く含まれている成分はでんぷんです。そのでんぷんにはアミロースとアミロペクチンという2種類があり、お米のおいしさ、粘りと硬さのバランスは、この2種類のでんぷんの比率で決まります。アミロペクチンのみの米はもち米になり、一般にアミロースの少ない米は粘りがあって、食味の良い米が多いと言われています。日本のうるち米のアミロース含有量は平均20%程度ですが、『スーパーライス計画』ではアミロースが5〜10%の低アミロース米を開発しました。粘りがあって味が良く、さらに成分がもち米に近いと言うことで、米菓子の加工用としても注目されています。
● 収穫量 もっとたくさん
ひとつの穂から収穫できるお米の量を増やす研究も進んでいます。研究の成果のひとつとしてあげられるのが、「ふくひびき」という品種の育成です。通常は10アールあたりの収穫量はおよそ500kgといわれているのですが、この「ふくひびき」は1000kgの収穫量をあげることができます。このように収穫量の多いお米を『超多収品種』といいます。超多収品種の育成がさらに進めば、コストが安く、安定したお米の供給を実現できます。
● 栄養 もっと健康的に
日本人はたんぱく質の総摂取量の約18%をお米から摂取しており、お米は大切なたんぱく質の供給源となっています。お米のたんぱく質は栄養的に優れており、これを有効活用することは重要な課題です。ところがたんぱく質の中に含まれるグロブリンが原因でアトピー性皮膚炎を起こしてしまう人もいるといわれているため、グロブリンを含まない『低アレルゲン米』も開発されています。
● 耐病性 もっと強く
コシヒカリやササニシキはとにかくおいしいと、人気の高いお米ですが、この2品種は稲の病気であるいもち病に弱く、またすぐに倒れてしまうという、生産者にとっては作りづらい側面を持ち合わせています。そこで害虫や寒さ、かんばつに耐えうる品種の改良が、地域の特性に合わせて行なわれています。