お米に付く害虫


 昔から、いい女ほど悪い虫が付くと言われますね。お米の業界でも、おいしいお米ほど虫が涌くと言います。 はたしてお米に付く虫とはどんな虫でしょう。いろいろな種類の虫が、お米を好んでやってきますが、 ここでは、代表的な2種類の害虫「ノシメマダラメイガ」と「穀象虫」に付いて説明します。


●ノシメマダラメイガ

 ノシメマダラメイガは、お米のヌカや芽の部分に卵を生みます。生まれた幼虫は、 黄白色に近い色をして、小さい芋虫の形態をしています。ヌカを食べて成長し、やがて白い糸を出し蛹(さなぎ)になります。 このときの白い糸がお米の粒をくっつけてしまいます。やがて羽化して蛾となって飛んでいきます。

 ノシメマダラメイガは、夜になるとそこらじゅうで飛び回ります。ヌカや小麦粉などの穀粉の匂いを嗅ぎつけて、 卵を生みに来ます。購入時のお米の袋など食い破って中に入り込んでしまうこともあります。購入した袋のままでの保管がいけない理由が、 ここにもあります。必ず密閉できる容器に入れ、定期的にヌカ等を掃除することが肝心です。

ノシメマダラメイガの画像 食品総合研究所貯蔵害虫研究室[貯穀害虫・天敵図鑑]より

形態   長径が0.4mm内外の楕円形。乳白色。
幼虫 老齢幼虫の体長は10mm-12mm。頭部は茶褐色、腹部は系統や環境により黄白色、淡赤色、淡緑色など。
  体長は8mm前後。黄褐色。
成虫 体長7-8mm。翅を広げると14mm内外。頭部は紫赤色、腹部は灰白色、前翅の基半分は淡黄色、灰褐色で仕切られたあと半分は赤褐色。
加害する食品 穀類、小麦粉などの穀粉、油分の多い乾燥加工食品など。
加害形態 玄米の場合、幼虫は胚芽部に次いでぬか層を食べ白米化する。菓子やインスタント食品の袋を食い破って中に入り込み食べることもある。 ノシメマダラメイガの糞は赤いので他の虫との区別が付きやすい。また加害された食品の表面に細かく糸を張り、覆ってしまうこともある。
防除方法 こまめに清掃し、餌となりやすい食品くずなどを出来るだけ残さないようにする。 工場などでは発生を確認するフェロモントラップも使用される。

 

●穀象虫(コクゾウムシ)

 穀象虫は、甲虫の一種で、その名のとおり鼻面が象の鼻のように長く伸びています。穀象虫は、 なんと米粒の中に卵を生みます。数日で孵化(ふか)して幼虫は、お米の中を少しづつ食べながら大きくなります。 やがて成虫となり、卵の殻を破って生まれてくるヒヨコのように、米粒の中から出てきます。そして、お米を食い散らし、 また卵を生みます。

 穀象虫は、玄米も好み卵を生みます。困った事に、精米工程の熱では死滅しません。 防除するには、精米所を徹底的に清掃する必要があります。家庭においては、購入したお米は早めに消費することや、 密閉容器に入れ温度の低い所で保管する事が大切です。

穀象虫の画像 食品総合研究所貯蔵害虫研究室[貯穀害虫・天敵図鑑]より

形態 幼虫は白いウジ状。
成虫の口吻は前方に長く突出する。体色は茶褐色〜黒褐色。2対の淡色の斑点がある場合が多い。体長は2.9-3.5mm。
加害する食品 米、麦、トウモロコシ、パスタ、乾燥芋、乾麺等
加害形態 健全な穀粒を加害する。象の鼻のような口吻で穀物に穴をあけて卵を産みこむ。 孵化した幼虫はそのまま穀物の中で発育して蛹になり、成虫となって穀物から出てくる。25〜30℃、 70%RH条件では、産卵から成虫の出現まで約1ヶ月間かかる。成虫も穀物を食べる。
防除方法 清掃をよくし、こぼれた米粒などを放置しない。

 

 害虫全般にいえることですが、虫は、気温が20℃を超えると発生しはじめ、 25℃を超えると動きが活発になってきます。気温・湿度が上がってくるとお米も傷みやすくなり、 匂いを発生しはじめます。人間には感じなくても害虫は、匂いにつられてやってきます。 気温・湿度が高くなり始める時期には、特にお米の管理に気をつけましょう。当サイトの 「お米の保存法」も ご参考に。


もっと詳しく知りたい人は [貯穀害虫・天敵図鑑] を参照して下さい。
貯穀害虫・天敵図鑑


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